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アレルギーという言葉は1900年代の初期に発祥し、100年以上もの月日に渡ってアレルギー患者は増加しつづけています。実は、日本でのアレルギー患者は40年ほど前までは少なく、アレルギーを研究している医師の数は多くはありませんでした。アレルギーについてアメリカに勉強をしに行った医師の中にはアメリカのアレルギー外来窓口が毎日患者で込み合っている様子を目にし、とても驚いてしまったという話がある程です。しかし今では日本もアメリカ以上にアレルギー患者が増加しました。
毎年、春になると鼻水やくしゃみが止まらなくなり、目は赤く充血し涙が出る。風邪薬などの薬を飲む事で発疹が出る。また、アクセサリーを付けたところがひどくかぶれてしまうなど、アレルギーの症状も様々なものがあります。最近は、アレルギーや喘息の専門家だけでなく、耳鼻科や皮膚科の医師もアレルギーについて考えながら治療をしなくてはならなくなってきています。
そもそも日本でアレルギーが注目されたのは1956年の事でした。当時、東京大学で教鞭をとっていた尾高朝雄教授が「ペニシリンショック」で急死した事件がきっかけとなり、アレルギーという言葉が知られるようになりました。その後、1966年に石坂公成・照子両博士がアレルギーの元凶である免疫グロブリンEを発見したりとアレルギーの解明は進歩を遂げるようになりました。しかし、それと同時にアレルギーによって引き起こされる病気が広範囲に及ぶことも判明するようになりました。
その中でも私たちが生活をしていく中で一般的なアレルギーといえば、アレルギー性鼻炎・アトピー性皮膚炎・気管支喘息・蕁麻疹・湿疹・アレルギー性胃腸病などがあげられます。何故これらのアレルギーが増えてきたのかというと、私たちの生活習慣などの変化が原因で増えてきたと言っても過言ではありません。たとえば、食生活はどうでしょう。食生活は、和食離れと簡易化によって、大きく変わってきました。
その中でも赤ちゃんの離乳食は大きな変化を遂げたと言ってもいいでしょう。以前はおかゆから始まる離乳食が徐々に大人と同じ食べ物へと遷移しながら、離乳をさせてきたのですが、最近はいろいろな食材を使ったベビーフードが簡単に手に入るようになり、その種類も豊富になってきました。その影響で赤ちゃんのアレルギーが発症しているケースもあります。
また、洗剤などの化学製品も昔と違い色々な種類のものが製品化され、私たちは何のこだわりもなく購入し使うようになってきました。この新たな化学物質がアレルギーの引き金となるケースもあります。さらに現代人に多いストレスもアレルギーの原因となります。昔の人もストレスがなかったわけではありません。しかし最近は、人間関係がより複雑になってきたり、職場のIT化が進む等により以前よりストレスを抱える人が多くなってきました。このようなこともアレルギー患者の数が年々増加している理由と言えます。